【初心者向け】レンズの焦点距離を超わかりやすく解説!
カメラを買ったら、レンズも買いますよね。
でも、レンズって、名前が数字の羅列で独特じゃないですか。
16-35mm F2.8とか、24-70mm F4、85㎜ F1.4とか…。
何を意味しているのかわからない…
私も最初は訳がわかりませんでした。
しかし、この数字がわかっていないと、レンズ選びに困り、自分が撮りたいと思う写真も撮れません。
そこで、今回は私はこれまでの経験をもとに焦点距離について、超わかりやすく解説します。
カメラの本やネットの情報には載っていない、実践しているからこそ見出した焦点距離に対する持論についてもお伝えします。
それでは、早速!
焦点距離で何が変わるの?
焦点距離は、レンズの名称についている16-35mmとか24-70mmの部分です。
このミリ数によって、どのようなシーンの撮影に適しているのかが変わってきます。
代表的な焦点距離 | 用途 |
16㎜ | 超広角のパースの効いた描写を求めるとき、風景 |
20㎜ | パースも効かせつつ、画を整理したいとき、自撮りで背景も入れたいとき |
24㎜ | パース少なめのより自然な広角描写を求めるとき、風景 |
28㎜ | iPhoneの通常の画角 |
35㎜ | 被写体と景色の両方を画に入れたいとき、スナップ |
40㎜ | 35㎜と50㎜の使い分けがめんどくさいとき、万能 |
50㎜ | 被写体主体のクローズアップした描写を求めるとき、スナップ |
85㎜ | より被写体を主張した描写を求めるとき、ポートレート |
これだけだとイメージが沸かないですよね。
では、各焦点距離ならでの特徴的な描写をお見せします。
焦点距離35㎜から16㎜にかけての画の違い
まずはスタンダードな35㎜から広角側の16㎜までを見ていきましょう。
35㎜の画角
この画(35㎜)を標準の画角だと思ってください。
16㎜の画角
それでは、一気に16㎜を見ていきます。
わかりますか?
端っこが、ぐわんっと中央に向かって収束しているのを感じるかと思います。
これを“パース”といいます。
超広角というのは、周り全体を映せるのではなく、このパースをどれだけ演出に取り込むかが鍵となります。
画角が広すぎて余計なものが映り込んだり、四隅に写っているものは歪んでしまい、綺麗には撮れません。
人の顔がここに入ると、ホラーになりますw
扱いにくい画角ですが、このパースをうまく効かすと最高の一枚を撮ることが可能です。
20㎜の画角
これが20㎜の画角。
16㎜よりも、パースが弱くなります。また、画角も狭くなるので余計なものが映り込みにくくなります。
16㎜では、情報を整理できないときに使えるでしょう。
また、自撮りにも適した画角で、手持ちで自分を写しても、背景をちょうど良い塩梅で入れることができます。
24㎜の画角
24㎜は広角の中でもかなり使いやすい画角です。
パースはありますが、歪みは酷くなく、16㎜のような扱いづらさはありません。
初心者が使う広角の画角としておすすめです。
広角を活かした画を撮りたいかつ、使いやすい画角を選択するなら24㎜がベストです。
28㎜の画角
28㎜はスマホのデフォルトの画角と言われています。
標準的な35㎜の画角に近いけど、広角の部類である。
万人が使うスマホだからこそ、全体を写しやすい画角かも知れませんね。
個人的には、万人に使いやすいからこそ、28㎜ならではの特徴というものがなく一番つまらない画角だと思っています。
もう一度、35㎜を見てみる
さて、広角の世界を見たうえで、もう一度さっきの35㎜を見てみましょう。
28㎜を見てから35㎜を見てみると画角が狭いですね。
35㎜はカメラの世界では標準の画角です。しかし、スマホの画角に慣れた人から見たら狭いと感じるでしょう。
でも、パースが強力に効いた16㎜を除き、もっとも被写体を印象的に写しているように見えませんか?
望遠になればなるほど、被写体を際立たせることができます。
写真は、どこまで被写体を際立たせるかがキモです。
35㎜は被写体を際立たせるかつ、それなりの広さで風景も撮れる万能の画角と言えるでしょう。
焦点距離35㎜から85㎜にかけての画の違い
では次に、望遠の画はどのような違いがあるのか見てきましょう。
例の如く、35㎜を基準にしていきます。
35㎜の画角
あらためてみると、広角レンズと比べて歪みが少なく、綺麗な写りをしていますね。
ここから望遠になるとどのようになっていくのでしょうか。
40㎜の画角
40㎜というのは、あまり一般的ではないのですが、せっかく持っているので載せました。
35㎜よりも、被写体がクローズアップされていますね。とはいえ、背景もしっかり残っている。
この画角は離れれば35㎜のような画になり、近づけば50㎜のような画角と、撮影者の立ち位置で変幻自在に画の印象を変えることができる焦点距離になります。
35㎜にすべきか、50㎜にすべきか判断に迷ったら、この画角ですね。
50㎜の画角
ついにきました。
王道の50㎜!
50㎜は人の見た目に近い画を撮ることができます。
間違っても、人と同じ視野ではなく、被写体と背景のボケという見た目です。
いいだしっぺは、カメラの中のカメラ、ライカ社だそうで、このレンズはライカのオールドレンズ、ズマリット 5㎝ F1.5で撮影しています。
完全に、背景も入れるというより、被写体を魅せる感じの画角になってきたことを感じますか?
50㎜は、カメラの世界では標準画角と言われていますが、使ってみると狭いです。
しかし、写真はどこまで被写体を際立たせるかがキモという意味では、50㎜の選択は間違っていません。
85㎜の画角
最後は、85㎜です。
ご覧のとおり、画角が狭すぎて、被写体の全身を写せていません。
そのかわり、もっとも被写体を際立たせているのはお分かりになられると思います。
85㎜使う時は、被写体を最大限に際立たせるときです。
それ以外では、画角が狭すぎて汎用性にかけます。
いわゆる伝家の宝刀ですね。
もう一度、35㎜を見てみる
さて、望遠側の画角を見た上で35㎜を見てみましょう。
広いですね。まるで、広角のレンズのようです。
ちょっと気になったので、85㎜と比較してみます。
85㎜の背景に注目してください。
35㎜よりも、明らかに画が締まって(パースがない)、背景が大きいのがわかるでしょうか?
これを望遠レンズ特有の“圧縮効果”と言います。この圧縮効果こそが被写体を際立つように魅せる理由です。
理論的に証明されているものではありませんが、背景が大きくなって視界に入らなくなるから被写体しか見えなくなるのだと考えています。
逆に、広角レンズは背景が小さく映ります。
比べてみると違いがわかりやすいです。
これが広角と望遠の差です
35㎜に慣れるのが上達のカギ
同じ被写体の撮影でも、レンズのミリ数が違うだけで、これだけ違うのがわかりましたでしょうか?
焦点距離の特徴は、
- ミリ数が小さくなるほど、写真は広く撮れ、ぐわん(パースと言う)となる。
- ミリ数が大きくなるほど、写真は狭く撮れ、背景が締まって被写体を際立たせる。
35㎜を基準に、そこから広角へ向かっていく(ミリ数が少なくなっていく)と、絵面はどうなっていくのか。
35㎜を基準に、そこから望遠へ向かっていく(ミリ数が大きくなっていく)と、絵面はどうなっていくのか。
その特徴を基準に、自分が撮影したい写真に合わせて焦点距離を選ぶと良いです。
16㎜と85㎜の画でも解説しましたが、35㎜を中心に焦点距離が離れれば、離れるほどそれぞれの焦点距離の特徴が出て、使いにくくなります。
しかし、それを使いこなせたときの画に宿る爆発力ったら、ありません。
間違えてはいけないことは、その立ち位置を基準にして焦点距離を決めないこと。
35㎜で撮れる画を基準にして、自分が撮りたい写真のイメージと焦点距離の特徴をイメージして、先に焦点距離を決めてください。
そして、撮影位置(構図)は自分の足で動いて決めましょう。
35mmを基準に、どこまでパースを効かせるか(広角で撮るか)、どこまで被写体を際立たせるか(望遠で撮るか)。
これを意識するだけ、写真はかなり上手くなります。
初心者おすすめの焦点距離は?
ここまで35㎜が重要であることを述べました。それは間違いありません。
ただ、初心者へ個人的におすすめするのは、40㎜です。
それは、被写体に近づけば50㎜のような描写、離れれば35㎜のような描写になるので、汎用性があるから。
この40㎜から…
寄って撮りたいと思ったときは、50㎜の画角、引いて撮りたいと思った時は35㎜の画角で自分が撮りたいと思ったときだったんだな!
ってな感じで、標準レンズの中でもちょうど中間の画角なので、私はここを基準にして広角寄りに撮るべきか、望遠寄りに撮るべきかを考えた方が良いと思ってます。
カメラマンの中でも間違いなく割れるテーマだと思いますけどね。
ここまで、各焦点距離の特徴をおさらい
ここまでの読み進めた方は、それぞれの画角の特徴のイメージがしやすくなっていると思います。
ここで、それぞれの焦点距離について、もう一度私の持論を解説します。
50㎜は標準画角と言われますが、実際には画角が狭いです。被写体をちょうど良い塩梅で引き立てますが、初めてカメラを持つ人にはもどかしく感じると思います。
24㎜、28㎜は初心者にとってちょうど良い広さに感じるのですが、これに慣れてしまうと写真は切り取るという思考が身につきずらく、相当うまくやらなければつまらない画になりがちです。
35㎜画角は狭すぎず、広すぎす、パース(歪み)もそれなりに抑えられた初心者向け画角であると思っています。
85㎜は上の写真のようにパース(歪み)が全くなくなり、背景が拡大されて、被写体がグワっと引き立つので、人を撮るのに向いていますが、画角は超狭いです。
ですが、画角が狭すぎて他のシーンでは使いにくいので、伝家の宝刀みたいな運用になります。
逆に、16㎜は歪みは強く、余計なものが映りやすいですが、パースの特徴さえ使いこなせば、被写体を印象付けることが可能です。こちらも伝家の宝刀です。
超広角の16㎜と中望遠の85㎜。
これら、各焦点距離の特徴を踏まえたうえで、撮影時に何㎜で撮るかを判断しましょう。
あとは慣れです。
85㎜より、長いレンズは必要か
また、85㎜よりも長い焦点距離、いわゆる望遠レンズというのもありますが、
- より被写体を強調したポートレート
- 動物
- 乗り物
- スポーツ
などの撮影でなければ、使うシーンはまずありません。
多くの人は、持つことを視野に入れる必要はないです。
私は主に身近な距離での撮影をメインとしているので、85㎜までしか持っていませんし、実際の撮影シーンでは、24mm〜50mmのレンジでほぼ対応できます。
望遠レンズがない…、困ったぁ…
ということは一度もなかったです。
ただ、家族を持っている方は運動会とかでお子さんを撮りたい時がありますよね。
そういうときだけ、望遠レンズが必須のなるのですが、その1シーンのために買うのもひける…
そうなったら、GOOPASSさんに借りるしかないです。
それか、もう買っちゃって動物写真、乗り物写真のジャンルに入ってしまうかですね!
初めはこれだけわかっていれば十分!
いかがだったでしょうか?
焦点距離のことが感覚的にわかって頂けたかと思います。
- ミリ数が小さい → 写真は広く撮れ、ぐわん(パースと言う)となる。
- ミリ数が大きい → 写真が締まり、背景が大きく見える(映画っぽい)。
- その特徴を踏まえて、焦点距離を決める。
- 24〜50㎜が最も使いやすい
- でも、50㎜は意外に狭い
- 16㎜や85㎜のような焦点距離を使うときは、写真に強調を出したいとき
大事なのは、言葉で覚えるのではなく、感覚で特徴を理解すること!
暗記はせず、感覚で覚えればヨシッ!
非常にとっつきにくい数字でしたね。
焦点距離のこと、少しでもわかって頂けたら、嬉しいです。
自分が撮りたい写真に合わせて、焦点距離を選ぼう!